太陽光発電システムの設備費用
2020年11月19日 15時19分
初期費用の中で、設備費用は60パーセントから70パーセントの比率を占めます。
人件費が必要になる工事費はなかなか安くはなりません。設備費用のコストが初期費用を大きく左右することになります。
パネル(モジュール)
太陽光発電システム全体の費用を前述しましたが、例えばパネル費用の比率をシステム全体の40パーセントとした場合に次のようになります。・住宅用…… 15.4万円/kW
・非住宅用…… 12万円kW
規模が大きくなっても単価が下がることはありません。
そして、住宅用では屋根設置が基本になりますので、造成することは不要です。
品質の信頼性を重要視しますから国内メーカーを選ばれるケースが多いです。
2010年度から2012年度の実績値のデータを見ると、パネル費用の割合は60パーセントを超えています。
住宅用では、 15.4万円/kWから23万円/kWに跳ね上がります。
非住宅用で 10kW以上 50kWの設備の場合はどうでしょうか?自然エネルギー財団の調査データがあります。
・海外メーカーの場合…… 10万円/kWから 12万円/kWが中心で高くても 16万円/kWです。
・国内メーカーの場合…… 10万円 /kWから 20万円/kWと幅広いです。
平均的に見て、国内メーカーの場合は、パネルが高いです。
一つの目安ですが、国内メーカーならば 18万円 /kW・海外メーカーで 12万円/kWと見ておけば相場金額とみてよさそうです。
パワーコンディショナー
相場的には 5万円/kW〜 6万円/kWです。これは希望小売価格ですから、実売ベースでは4万円/kW代になっています。太陽光発電システム全体の11パーセントの費用と見た場合には次のようになります。
・住宅用…… 4.24万円
・非住宅用…… 3.3万円
調達価格等算定委員会(太陽光発電の買い取り価格を実質的に決めている機関)でも、住宅用の維持費は20年間で 20万円を計上しています。
住宅用は、 4.2kWを基準にしています。20万円÷ 4.2kW=4.76万円になります。 4.5万円/kW前後ならば、納得できる価格と判断できるでしょう。
非住宅用の場合は、ボリュームもあるので 3万円/kW程度まで期待できます。
架台
太陽光発電システムを導入する場合に、屋根に設置する場合でも、野立てにする場合でもパネル(モジュール)を固定したり、角度を調整するために架台が必要です。
これには、 4万円から5万円 /kWが必要です。架台が他の項目と違うのは、規模が大きくなっても単価はあまり変わりません。
実際の出力容量になるパワーコンディショナーの容量よりも、多いパネル容量を積載するからです。
過積載の手法をとって売電量を上げるので、パネルが増えると架台の数も増えるので単価は下がりません。
ここで、パネルの過積載のことを少し説明しておきましょう。
太陽光発電システムの発電量は日射量が大きく関係します。太陽の高さが一番高い昼間がピークになります。
そのピークの時でも最大出力のロスが発生しないように、パネルの容量やパワーコンディショナーの容量を決めます。
逆に日射量が少ない朝や夕方は発電量が少なくなります。
こういったことから、ピークのときのロスが発生することを想定して、パネル容量を増やすのです。
そうすれば朝や夕方でも、より多くの発電量を得られるようにします。これが過積載なのです。
過積載をしてもピーク時のロスとパネルやパワーコンディショナーを増やすコストを見ておかなければいけません。
増えた発電量と見合わなければ過積載するメリットはありません。